2025年度授業と成績評価フィードバック
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2025課題レポート評価と授業について
全体の概要
2025年度の図書館情報技術論は評価を完了しました。概ね授業の目的を達成できたと感じています。毎回のコメントを読み回答をつける作業でそれを実感しました。図書館にとって情報技術は必須の知識で、一般社会でも必要な知識だという感想が見られました。スマホを日常的に使っている皆さんだからこそのコメントでした。
レポートも秀逸な作品がありました。アイデアに富んだもの、着目点が鋭いもの、緻密な調査をしたうえでそれを生かしたものなどです。逆に教科書をまとめただけのもの、Webの記事をそのまま載せたものなど問題の残るレポートもありました。基準点に満たないレポートは再提出をお願いしました。不本意だったかもしれませんが、履修基準を満たすための指示だと思って理解してください。
レポートについて
文書表現と主題構成
文章表現に不慣れな点が見られました。この情報技術論は2年時開講なので、まだ十分に訓練ができていなかったかもしれません。しかし高校生では小論文の書き方を、大学1年では日本語表現法について学んだと思います。作文技法は繰り返し文書を作ることで習熟します。同時に多くの論文やレポートを読んでください。読めば書けるようになるのが論文です。再三再四、段落と字下げ、主題とまとめなどを説明してきました。文書も配布しました。それでも半数近くの学生が書式を守っていないのです。もう一度学びなおしてください。
本学HP教養セミナー 日本語表現法、大学で学ぶために
配布資料の閲覧
レポート課題の仕様(書式)、文章表現などが守られていなかったのは、配布したプリントや公開ファイルを見ていなかったからだと思われます。シラバスに記述した課題作成も同じです。課題作成時、提出前に繰り返しチェックして内容を確認しましょう。また、教科書、配布資料もよく見て授業に役立てましょう。人に聞いて適当な文書を作成すると判断を誤ります。
Word操作について
Teamsに提出されたレポートは書式(レイアウト)がバラバラで統一がとれていませんでした。一番多かったものは行間が不揃いなものでした。行が間延びしたもの、同じページなのに広い行間と詰まった行が混在するもの、行末が不揃いで行の右端が凸凹しているものなどでした。修正方法はフィードバックに記述しましたが、なぜそうなったかの理由も探ってみました。
レイアウト異常の原因
1.PCのWordアプリではなく、TeamsのWordを使用して作成した
2.TeamsのWordはウェブ向けの仕様のようで、改行幅やレイアウトを正しく表示しない
3.レイアウト(フォントや行数)を指定せずの規定値デフォルトのまま作成している
4.Teamsのウェブ上で編集している
対処方法やWordの操作方法については「課題提出方法」などの資料で説明しましたが、Word操作と文章表現については詳細なテキストが必要だと痛感しました。成績発表までには準備したいと思います。
情報技術論について
一昔前は情報技術に対して嫌悪の感情を示す人がいました。図書館関係者も同様です。そのためか授業をしていると「図書館で情報技術が必要なのかわからない」「なんで2進数が出てくるのか訳が分かんない」とお怒りの諸氏もいました。今回も「情報の知識は重要だけど司書の専門科目ではない」と認識している学生もいて、少々めげています。図書館情報技術論は司書課程での必修科目です。同時に現代社会を生きていくうえで必要な知識でもあります。どうか嫌わずに学習を続けてください。かならず役に立ちます。
授業について
教科書は授業開始時に他の資料とともに配布しました。そのpdfファイルは遅くとも3日前までにTeamsで公開しています。このテキストを受講前に読んで予習することによって、難しい内容の授業であっても、スライドなどの演示説明だけでテキストの内容が理解できるようになります。「インターネット通信」についてはテキストで予習するように要請しました。わからないことがあればネットで調べるなりして授業に臨んだ人は、OSI参照モデル、4層構造でのデータ通信の仕組みが理解できたと思います。理系科目ではないので全体を把握できればそれで充分なのですが、個別に細かい質問が来ました。嬉しい誤算でした。
残念なのは一部の学生がコメントだけを送って出席としたことです。人は時として病気になって欠席する、大会参加の栄誉を得て選手として出場するなどで欠席することもあったでしょう。学則上は2/3以上の出席があれば試験が受けられます。しかし半期15回の授業のうち5回を欠席すると知識の欠如が避けられません。それを補うために各種の資料ファイルと動画での解説を準備しました。これで最小限度の理解はできると思います。この資料ファイルと動画視聴の上でコメントを提出できれば受講した成果を担保できるのです。これで授業参加の条件を満たせるのです。欠席コメントでも学修した成果を見せてほしいです。
動画説明について
Teamsの録画機能を使って授業動画を作成するためには、それなりの設備が必要です。今回の1202教室ではノートPCのカメラでの配信は可能ですが、画面をキャプチャーした配信はできませんでした。そこで45~60分程度の動画を準備して公開しました。私の授業は既存の映像資料を活用します。その著作権は大学が取りまとめて費用を負担してくれているのですが、資料によってはTeamsに保存して公開することができないものもあります。教室での演示はほとんど大丈夫なのですが、Teamsでの保存は「複製」と「配信」になるので、製作者に許諾を受ける必要があります。授業で上映しながらTeamsで保存できなかった映像があるのはそんな理由からです。配信元がある映像はそのURLを記述して個別視聴するようにしました。
結びとして
20代から教壇に立っています。年を経るごとに授業がうまくなるかと思っていましたが、実際は逆のようです。説明したいことが次から次へと出てきて、毎回まとまりのないものとなってしまいました。授業で楽しく学べるように工夫をしていますが、良い効果が得られていないようです。せめてものお詫びとして、コメント集を発行しました。手書きのリアクションペーパー時代では、紙の記述をWordで手入力してコメントを追加していました。TeamsではコメントをCtrl+C,Vで簡単にコピー&ペーストできるので時間短縮ができるようになりましたが、それでも受講生が60名では1日仕事です。
リアクションペーパー(コメント集)は半数近くが読んでいないようで不要論もありました。しかし一部で好評でしたのでこれからも続けたいと考えています。テキストやスライドレジメプリントなどは前もって印刷保管が可能なのですが、コメント集はコメント回収後の印刷、つまり授業直前になるため、匂いについてクレームのあった学外の印刷室を使うしか方法がありません。pdfファイル配布のみにするなど今後の対応を検討します。
司書科目はこの「図書館情報技術論」以外に、秋学期に「図書館情報サービス論」と「情報サービス演習」のPC実習を担当しています。また一緒に学べる機会があれば嬉しいことです。
今期の情報技術論開講に協力いただいた皆さんに感謝します。
ありがとうございました。
レポート評価と文章表現
私は考える・思う
「私は〇〇と考える」という記述はレポートとして認められません。極論すると「あなたの考えを誰も聞いていないよ」と否定されて終わりです。高校までの教育でこの三段論法を推奨されたのかもしれませんが、こんな書き方をする研究者もいるかもしれませんが、査読のある論文では見たことがありません。論拠を列挙した最後に「〇〇と考えた」との記述も感心しません。欧米では「I think~」という記述は厳しく禁止されています。せめて「この原因は〇〇と考えられる」との表記にしましょう。
「〇〇は調査結果や事実の情報に基づいて分析した結果」から導き出される結論なので「考えられる」と表現すれば客観的になります。「考える」は主観的に感じたことを表現しています。
です・である
論文では「である」と記述するのが普通です。不特定多数を対象としたレポートでは「です・ます」を使って親しみやすい文章にすることもありますが、レポートを読んで評価するのは教員ですから、「です・ます」を使わないのが原則です。ただしこの情報技術論では「です・ます」の記述も良しとします。テキストもこの説明文も「である」という記述はありません。卒論ではないので表現しやすい記述をしてください。
字下げ
段落の冒頭は1文字下げて記述します。これを字下げと呼びます。段落は同じ主題が続くあいだは改行せずに記述しましょう。字下げがないと段落の区別がつかず見にくい文章になります。ホームページなどでは字下げをしない例をよく見ますが、段落の代わりに空白行を入れて段落の代わりとしているようです。ネット社会ではこれが文化かもしれませんが、レポートや論文は字下げして段落のはじめとします。
段落
段落内の構成は、①主題の文、②主題についての説明や根拠を示す文、③段落内容のまとめ文(次の段落へのつなぎ)の順に記述すればわかりやすい文章になります。上記の文書では、①『私は〇〇と考えるという記述はレポートとして認められません』が主題です。そのあとの記述で②理由を述べた後、③『この原因は〇〇と考えられるとの表記にすべきです』とまとめています。
英文作成での段落構成をパラグラフライティングといいます。
主題:トピックセンテンス
主題を支える文:サポートセンテンス
まとめ:コンクルーディングセンテンス
冒頭の接続詞
段落冒頭に「しかし」という接続詞は避けましょう。前段落を否定する内容であっても、先頭が接続詞では何を否定しているのかわかり難くなります。yahoo知恵袋に質問がありました。『段落の初めに「しかし」と入れるのはおかしいと指摘されました。何がおかしいのかいまいちわかりません』。それに対して『文章の一番初めに入れるのは明らかにおかしいが、前の段落を受け、次の段落で前の趣旨と対立する内容なら当然そうする』と回答していました。皆さんはそうしないでください。段落の先頭に接続詞を入れると、段落の構成が複雑になり文書の品位も下がります。
俗語「いまいち」と「気になる」
品位と言えば「いまいち」という俗語もレポートでは使わないでください。コメントではよく見ました。言い換えると「今ひとつ」となるのですが、これも俗語です。せめて「何がおかしいのかよくわかりません」とするか、「いまいち」を削除しましょう。
コメントでは「気になる」という語も散見しました。前後の文脈から「興味がある」や「深く知りたい」ととれるのですが誤用です。本来は「教室の女の子が気になる」とか「試験結果が気になる」と外的要因に対して意識する言葉です。それが「「サーバーが気になる」とあれば、サーバーに対して心配しているとは思えず、値段が知りたいのか、大きさが知りたいのか、回答するにも想像が必要になります。レポートの冒頭にも「国立国会図書館が気になったのでこのテーマを選びました」という記述がありました。「国立国会図書館の組織に興味を持ったので」とか、「国立国会図書館のホームページが学習に役立ったので」などの具体的な表現を使ってほしいです。
印刷文書としてTeamsで公開しています。TeamsのpdfファイルではWordでの問題点について、操作方法も含めて言及しています。